誰か、に 届いて


 1.signal


誰にも気づかれない世界でひとり。
誰とも出会えない、ここにひとり。

『ここにいるよ』
誰にも気づかれない ぼく の声。
どうか届いて、誰か気づいて。

けれど、世界には届かない。
言葉はノイズの中に消える。



ねえ。誰かきいて、ぼくの声を。
そう思ったら、逆にぼくに届いた。


― 白と灰色に囲まれた場所から、ひとつ

 ―狭く暗い場所から、ひとつ

―悲しみと慟哭の中から、ひとつ

 ―世界から弾かれたものから、ひとつ


ねえ、誰かに届いて。誰か気付いて。
ぼくだけじゃない、ぼくも含めた多くのひとりぼっちが発する声−シグナル−に。




 <あとがき>
就活やらなんやらで、ようやく始める事ができました。
ひとりでひっそり企画です。
元々音楽からインスピレーションを受けて話を書くことが多いので、
今回は猫叉バムを聴いた感動のままにやりたいようにやろうと思い至りました。

最初くらいはアルバムの収録順番どおりに。
ノイズが入っているのを聴いて、これは?くんっぽいなー、なんて思いつつ。
うちの独りぼっち組を示唆する言葉を入れつつ。
独りぼっち組は今回の企画の中で順に触れていけたらなー、なんて思いつつ。

元々アルバムとして「終わり」をテーマにしている部分があるので、
かつ私が書くのでシリアスっぽくなりそうですが、よろしければお付き合いください^^